いってみっけ。海と山の、イイとやま。

静けさと美しさに包まれる

冬の世界遺産・五箇山合掌造りを訪ねる

合掌造り家屋が雪にすっぽりと覆われる美しく幻想的な風景。

富山県が誇る世界遺産「五箇山の合掌造り集落」は、南砺市の山あいに位置する小さな集落。相倉(あいのくら)と菅沼(すがぬま)の2つの集落があり、相倉に20棟、菅沼には9棟の合掌造り家屋が残っています。
茅葺の三角屋根が特徴的な合掌造り家屋や、のどかな田園風景は、まさに日本の原風景そのもの。一歩足を踏み入れると、古きよき時代にタイムスリップしたかのような感覚になります。

季節ごとに、素朴ながら美しい風景が楽しめる。 撮影: Shunya Shimada

いまも人々が生活する、生きた世界遺産。その暮らしを体験しに、五箇山を訪ねてみませんか?

五箇山の暮らしを

泊まって楽しめる

合掌造り家屋は、全国でも五箇山と白川郷及び両地域に隣接する一部の山間部にのみ見られる独特の建築様式で、現存する合掌造りの家屋の中でも古いものは400年前に遡ります。

民宿・展示館「勇助」(上写真)のある相倉集落には、相倉民俗館と相倉伝統産業館などがある。

特徴的なのは、なんといっても茅葺きの屋根。合掌屋根は湿った雪の重みに耐えるとともに、降り積もる雪を滑り落としやすくするため、屋根の傾斜が60度もの急勾配になっています。また養蚕等の仕事に適したスペースを確保するため、高層の合掌造り家屋に発展したと言われています。

豪雪地帯ならではの厳しい冬に対応する強固な造りや、生活の場と生業の場をひとつにした合理的な建築から、先人の生きる知恵を多く知ることができます。

五箇山和紙でつくられた暖簾が掛かる玄関。

そんな先人の知恵の詰まった五箇山の暮らしを体験できるのが、相倉集落にある「勇助」です。一日一組限定の民宿で、静けさに包まれながら、相倉集落で最大級の大きさを誇る合掌造り家屋に宿泊することができます。

囲炉裏の間に座れば、高い天井、太い梁など合掌造りの構造を眺められる。

玄関をくぐると、150年以上色あせない建物とともに、勇助を営む池端滋さん、夫次子さん夫婦が温かく迎え入れてくれます。かつて加賀藩の領地だった五箇山。その重厚感あふれる内装からも品格が感じられます。茶釜の高さを自在に調節できる自在鉤(じざいかぎ)がある囲炉裏も五箇山特有のものです。

囲炉裏から立ちのぼる煙は内側から茅葺き屋根を燻すことで、虫をつきにくくしているそう。築150年以上の歴史があるいまも、先人の知恵が生きて継承されているからこそ、どっしりとした風格が感じられます。

堅さが特徴の五箇山豆腐や、季節の食材を使った滋味深い味わい。

五箇山の夜の楽しみは、なんといっても夫次子さんがつくる料理。五箇山で深く信仰されてきた浄土真宗に由来のある“報恩講料理”をベースに、地元で採れた山菜や川魚をふんだんに使った素朴な味わいです。

暖かい囲炉裏を囲み、地酒を交わし、伝統的な料理を楽しむ……。そんな至福のひとときを過ごせますよ。

建物の2・3階は展示館。宿泊者以外も訪れることができる。

展示館には、かつてこのエリアの主要産業であった養蚕を再現する展示も。滋さんが撮影した相倉集落の四季の写真とともに、その暮らしぶりを垣間見ることができます。

五箇山ぼべらを使った

スイーツをお目当てに

集落から少し離れた国道156号線沿いにある「よりあい処 丸池」は、地元の人たちが運営する直売所&カフェ。五箇山の特産品である「赤かぶ」や「ぼべら」を購入できるほか、土日限定で営業しているカフェでは、コーヒーやスイーツでひと休みできます。

2020年3月にオープンした「よりあい処 丸池」。山々と畑に囲まれた場所に佇む。

「ぼべら」とは合掌造り家屋の屋根に使われた古茅を使用し、昔ながらの方法で栽培されたかぼちゃのこと。皮が薄く、甘みが強いので、スイーツやサラダにも使いやすいと評判です。

お店でもぼべらを使ったスイーツを提供しています。なかでもケーキ店さん「19HITOYASUMI」が合掌造りをモチーフにつくった「ぼべらモンブラン」(500円)が人気。

屋根の部分にぼべらのペーストが使われている「ぼべらモンブラン」。

味の美味しさはもちろん、見た目もフォトジェニックで楽しい逸品です。

ここ「よりあい処 丸池」のほか、五箇山から車で30分ほどの場所にある「19HITOYASUMI 南砺アミュー店」でもいただくことができますよ。

五箇山に伝わる

和紙漉きを体験

その昔、加賀藩への年貢として納められていたという、長い歴史と高い品質のある五箇山和紙。道の駅を併設する「五箇山和紙の里」は、そんな五箇山の伝統産業に手軽に触れられるスポットです。

和紙漉き体験は一人からでも体験可能。

和紙漉き体験では、五箇山和紙のはがきやうちわを自分でつくることができます。まずは模様選びから。和紙の模様の中から自分の好きなものを3枚選びましょう。スタッフにコツを教えてもらいながら木枠で楮(こうぞ)繊維をすくいあげたら、選んだ模様を好きな場所に配置します。

合掌造りや動物をかたどった模様が人気。

20〜30分ほど乾燥させたら、オリジナルのはがきが完成。切手を貼れば通常のはがきとして使えますが、もったいないと思ってしまうほど味のある風合い。旅の記念にとっておきたいですね。

五箇山和紙を使った、現代にもなじむカラーやデザインが施された、オリジナルの「FIVE」「SEKKA」「ちんちろ」シリーズが人気。

店内にはオリジナルの和紙グッズがずらり。スタッフが和紙の原料となる楮(こうぞ)の栽培から、紙すき、企画、加工までをすべて行っているそう。

五箇山和紙の特徴は、繊維が細くしなやかなで丈夫なこと。名刺入れやポーチ、ペンケースなども使い込むほどに手になじんでくるので普段使いして大丈夫。自分用にも、お土産にも、「五箇山和紙の里」のオリジナルアイテムをぜひ手に入れてくださいね。

※2021年9月21日時点の情報です。新型コロナウイルス感染症の影響により、営業日や営業時間の変更などが想定されます。最新の情報は公式サイトをご覧いただくか、施設などに直接お問い合わせください。

※価格は特記事項のない限り税込みで表記しております。

民宿・展示館 勇助

住所:南砺市相倉591

料金:1泊2食付き(2名1室 1名あたり)13,000円〜 ※冬期間(11〜3月)は暖房費1名あたり500円必要

Tel:0763-66-2555

https://yusuke-gokayama.com/

カフェ よりあい処 丸池

営業時間:金〜月曜10:00〜15:00 ※カフェは土・日曜のみ営業

定休日:火〜木曜

住所:南砺市新屋546-1

Tel:0763-77-3645

https://www.facebook.com/gokayama.maruike

19HITOYASUMI 南砺アミュー店

営業時間:10:00~20:00 (L.O.19:00)

定休日:年中無休(1/1のみ休み)

住所:南砺市寺家新屋敷366 S.Cアミュー1F

Tel:0763-22-1434

https://19hitoyasumi.com/

道の駅たいら 五箇山和紙の里

営業時間:9:00〜17:00 ※和紙漉き体験は10:00〜15:00(12:00〜13:00を除く) ※和紙漉き体験は予約が確実

定休日:年末年始

住所:南砺市東中江215

料金:五箇山和紙体験 はがき3枚700円

Tel:0763-66-2223

https://gokayama-washinosato.com/